野球部紹介
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特集
杉浦忠氏を偲ぶ
2001年11月11日、私たちの大先輩である杉浦忠氏が亡くなられました。
ここでは、杉浦氏が立教大学野球部の黄金時代を築きあげた軌跡と、
南海時代のご活躍を振り返ってみようと思います。
また、この場をおかりして、後輩一同、杉浦氏のご冥福を心よりお祈りいたします。
立大時代
3. 合宿所脱走?!
昭和29年6月2日、事件は起こりました。
当時、肩を痛めていた杉浦氏は、悩み抜いた末に合宿所を脱走してしまいます。時を同じくして、長嶋氏の元には「父キトク」という知らせが届き、長嶋氏は実家へと向かいます。
翌日、合宿所にはマネージャーに説得され戻ってきた杉浦氏の姿が…。そしてまた、長嶋氏も父親の葬儀も早々に戻ってきます。
「お父さんを亡くしているのに、堂々と家に帰れるのに、彼は一晩だけ家に帰って、すぐにまた合宿所へ戻ってくる。合宿生活というのは、当時はまだ、1年生にとっては大変厳しかった。にもかかわらず、家で一晩だけ泊まって、戻ってきたということで、非常に彼の野球に打ち込む姿勢というものに、非常に感動して、受け止めた。で、自分が、逃げて帰ったということが恥ずかしくて。それから、自分の野球に対する考え方が変わった。」
と杉浦氏は、当時を振り返っておられました。
その後、お二人は大学野球、そしてプロ野球界でご活躍なさるのですが、この事件がなかったら何か違っていたかも知れません。